本研究では、精神疾患の予防に対する栄養学的アプローチの確立を目的とした。当研究室で保有するLactobachillus helveticusを用いて作製した発酵乳を長期摂取させることで、抗不安様効果が確認された。発酵乳由来の水溶性画分ならびに非水溶性画分ではなく、生菌を摂取させた場合のみ抗不安様効果が確認された。また、生菌を摂取させた動物の海馬において、特異的なタンパク質スポットが検出された。以上より、本研究で用いたLactobachillus helveticusにはプロバイオティクスとして働くことで抗不安様効果を発揮し、その効果は海馬のタンパク質発現動態の変化に起因する可能性が示された。
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