食物アレルギーの新規治療法である経口免疫療法は,閾値以下の原因食物を継続的に摂取し,経口減感作を誘導する治療法である。本研究では,原因食物を食餌に混ぜ込み分割摂取させることで,卵白アレルギーモデルマウスのアレルギー重症度が改善するかを調べた。その結果,凍結乾燥卵白や酵素加水分解卵白ペプチドを1%添加した食餌を4週間摂取したモデルマウスは,アレルギー重症度が改善した。免疫寛容に関わる制御性T細胞への分化を抑制すると重症度の改善度が弱まった。従って,原因食物添加食餌を活用した経口免疫療法は免疫寛容を誘導し,その寛容メカニズムに制御性T細胞が関与していることが示唆された。
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