本研究は、日本人健常妊婦を対象に妊娠中の生活習慣が母児の健康に及ぼす影響について検討した。初診時臨床パラメータを用い、妊娠後期における妊娠糖尿病発症予測能の検討を行ったところ、妊娠初期HbA1cと空腹時血糖の両者の同時測定は、妊娠糖尿病発症予測能を高められる可能性が示唆された。また、妊娠中のエネルギー摂取量に占める炭水化物エネルギー比と妊娠中の耐糖能異常リスクを検討した結果、炭水化物エネルギー比が高い群(60%)は、低い群(50%未満)に比し、耐糖能異常発症リスクが低かったことから、耐糖能異常予防の観点からは、妊娠中の食事では、炭水化物からのエネルギー摂取を控える必要はないことを明らかにした。
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