研究課題
若手研究(B)
アジア太平洋地域における食品トレーサビリティシステムの構築を目的とした国際連合食糧農業機関(FAO)と国際原子力機関(IAEA)の技術協力プロジェクト(RAS5062およびRAS5081)の協力を得て、素性の明確な米試料を各国から収集し、安定同位体比および無機元素組成を明らかにすることで産地判別の可能性を検証した。軽元素(炭素・窒素・酸素および硫黄)・重元素(ストロンチウム)の安定同位体比および18元素の濃度を組み合わせることで、アジア各国の米の産地判別の可能性が示唆された。
食品分析
米はアジアの食文化において重要な農作物の一つであり、各国に守りたいブランド米が存在するため、科学的根拠に基づくアジアの米のトレーサビリティシステムの開発が大きな課題となっている。本研究では、アジア太平洋地域プロジェクトにおいて収集した米について、生育環境を反映する安定同位体比および無機元素組成を分析した結果、アジア各国の米の産地判別の可能性が示唆された。本研究のデータは,プロジェクトに参加しているアジア太平洋地域の国々と共有されており,今後アジア地域の米の信頼性確保への貢献が期待される。