研究期間の最終年度となる平成31年(令和元年)度では,これまでの研究成果を踏まえた小学校理科における長期的なカリキュラムのまとめを行った。当初予定では,これまでの理科に関する長期的なカリキュラム開発の成果を生かした,生活科の教材や学習活動の開発を行うことを予定していた。しかしながら,本研究課題の目的を達成するには,生活科の教材開発を行うよりはむしろ,生活科を終了し,理科を学び始める児童にとってのよりよい理科のカリキュラムを長期的視座に立って検討することが有意義であると考えた。そこで令和元年度は,以下の3点を実施した。 (1)電気概念に関する教材開発とその評価:小学校第5学年の電磁石の性質に関する授業デザイン,及びICTを活用した教材を開発し,その授業実践を行った。またその成果について日本理科教育学会全国大会で公表した。 (2)粒子概念に関する理解支援を促す小学校第5学年の授業デザインとその評価:小学校第5学年のものの溶け方に関する授業デザインを前年度に実践した内容についてデータ分析を行い,その成果について日本理科教育学会全国大会で公表した。 (3)4年間の研究期間に実施したカリキュラム開発の統括的評価:これまでの研究期間に実施した理論的検討,及びそれに基づいたカリキュラム開発,またその一連の評価について統合的に検討を行い,評価のまとめを行った。
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