研究課題/領域番号 |
16K16309
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松前 あかね 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 客員研究員 (50707859)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | EIT / Innovation Ecosystem / Entrepreneurship / Local Rooted innovation / Co-Creation / アントレプレナーシップ教育 / 自律分散型イノベーションエコシステム / 共創 |
研究実績の概要 |
本研究では、地方特有の社会環境を踏まえた自律分散型イノベーションエコシステムモデルを構築・実践的に検証することを目的とする。 そのため、EUの多極型イノベーション創出共同体European Innovation Institute of Technology(以下、EIT)が採用する産学連携・アントレプレナーシップ教育融合モデルについて、①アントレプレナーシップ教育効果、②事業創出実績、③地域イノベーションへの寄与機能に着目し、EU各地で展開されている実践事例を対象に体系的な整理と考察を行い、日本版の自律分散型イノベーション創出共同体を想定した地域に根ざしたイノベーション共創エコシステムモデルを提案する。 そのため、平成28年度はEITの概要およびKICsへの俯瞰的評価を関連会議および春期現地調査により把握した。冬期現地調査では特定のKnowledge Innovation Community (以下、KIC)の特徴および構成要素(各Co-Location Centerの規模・性質・地理的関係・マネジメント体制・アントレプレナーシップ教育の位置づけ・イノベーションへの寄与機能・課題等)について調査した。 これらの調査を踏まえ、地方に適した自律分散型イノベーションエコシステムの動的メカニズムをモデル化し、デザイン・マネジメントの方法論として国際会議で提案・報告した。このモデルについて第一線の実務家および関連分野の研究者との議論・フィードバックを得、基礎実験を行い検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内で済ませた事前調査を基礎に、研究協力者らの協力を得て現地での調査・資料収集を行い、EITおよびKIC(Knowledge Innovation Community)の俯瞰的把握を行った。予備実験を通じて調査指標の妥当性を確認した上で、現地調査ではKU Leuvenを拠点にEITを構成する特定のKICの地方拠点を訪問し、資料収集およびインタビュ―調査を行った。他方で、本研究の地域施策への反映として、アントレプレナーシップ教育を介したEITモデルの地方への適用に向けた試行・準備について、一部当初の計画を前倒しで進めた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に抽出した調査指標を用いて引続き調査を進め、自律分散型イノベーションエコシステムのメカニズムをモデル化し、動的デザイン・マネジメントの方法論として提案する。本モデルについて、前年度国際会議や各地の EIT拠点でのインタビューの際に得た当該分野の第一線の研究者および実務家との議論・フィードバックをもとに学術的に深め、これについて国内学会・国際会議で報告し論文としてまとめる。並行して、年度前倒しで着手した自治体との連携により展開する地域中小事業者を主な対象とした産学連携人材育成プログラムを基盤に、地方型イノベーションエコシステム施策として研究成果を昇華・社会還元し、研究への再フィードバックを目指す。 なお、本研究では分散型イノベーションエコシステムの構造および動的メカニズムに着目しているが、研究対象であるEITでは想定以上に柔軟かつダイナミックな展開がみられ、初期KIC群を踏まえた第2期KIC群の立上げ・展開が本格化しており研究対象として見逃せない時機にある。EU各地でのEITの認知も広まり関係者の本研究アプローチへの反応も高いことから、極力時機を捉えて新KIC群についても並行して把握し、研究の一段の推進に繋げたい。
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