2018年度は、オンライン上で歴史的類推を協調的に推敲できるシステムの改善、高校生を対象にした評価、研究知見の発表を中心に行った。 まず、オンライン上で歴史的類推を協調的に推敲できるシステムについては、インタフェースやシステム上のインストラクションの改善を行い、より高校生にとって学習が進めやすくなるように改良した。開発したグルーピングのアルゴリズムについては、国際会議で発表し、論文にまとめた。また、開発したオンラインシステムについては、国際会議で発表予定である。 次に、公立の高校生40人を対象に、本システムを用いて協調的な歴史的類推が促されたかを評価した。評価にあたっては、2つの観点から実施した。1つは、本システムを用いたグルーピングした場合と、出席番号順にグルーピングした仮想ケースの場合を比較し、本研究で想定していた理想的なペアリングとグルーピングができていたかを確認した。その結果、本システムを用いることで、より理想的なペアとグループを作れることが確認された。もう1つは、協調的な歴史的類推、すなわち、異なる2つ以上の歴史的類推を接続させ、1つの歴史的類推に統合させられているかを確認した。その結果、概ね協調的な歴史的類推が促されていたことが確認された。これらの評価結果をもとに、本研究の成果と課題をまとめた。以上の研究知見については、国際会議で発表した。 本研究で開発したオンライン上で歴史的類推を協調的に推敲できるシステム「歴史タイムカプセル」は、は、教育実践でも利用できるようにWEB上に公開予定である。
|