本研究は、要介護者の口腔内および全身を再現した介護マネキンを用いて、要介護者への口腔ケアの技能を修得するための実習プログラムを開発することを目的としている。これまでに、平成28年度は介護マネキン実習の導入に向けた準備として、以前に試験的に実施した介護マネキンを使用した実習にて得られた学生と教員からの評価を元にして、本マネキンを用いた要介護者への口腔ケアの手技を学ぶための動画教材を作製した。平成29年度は、対象者の学年や学習状況に合わせて動画教材の内容を修正し、改良を行った。また、改良した動画教材を用いた実習プログラムを立案し、実習を実施した。本実習プログラムの中では、動画教材視聴前にプレテスト、動画教材の視聴と実習の終了後にポストテストを実施し、動画教材および実習プログラムに関する評価を得た。多くの学生より、動画教材からは要介護者の口腔ケアの手技に関して多くの理解が得られたこと、さらに相互実習を通してより具体的な方法や注意点を体験的に学べたことなど、高い評価が得られた。 平成30年度は、前年度に対象者から得た実習プログラムの評価について、プレテスト、ポストテストの結果から本実習プログラムによる学生の理解度を評価し、 実習プログラムの学習効果を検討した。さらに動画教材の評価についても、動画から理解できたこと、その後の相互実習で理解、修得できたこと、また理解が不十分であったこと等について、詳細な評価を抽出した。令和4年度までには、研究対象者の見直しと、対象者のレディネスに合った実習プログラムの再検討を行い、実習プログラムを構築した。
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