研究課題
初年度の目的は,モーションセンサの出力に基づき,運動者の動作を解析するシステムを開発することである.このため,モーションセンサ出力の蓄積システムの開発として,ウェアラブルデバイスのモーションセンサからの出力データをデータベースに蓄積することで,体の特定部位ごとに動きをリアルタイムに把握できるベースシステムを構築した.さらに,動作抽出モジュールの開発として,対象動作を複数設定し,対応する特定部位の空間移動成分をベースシステムより抽出でき,それを変換してアクチュエータへ出力できるモジュールを開発した.また,ベースシステムからの入力データに従い,アクチュエータ出力が受容しやすいように,出力制御系のアルゴリズムを実装した.運動者は学習対象とする特定部位にフィジカルコンピューティングデバイスを装着する.これによって,デバイスに集積されたセンサの出力はデバイス内部処理において運動者の動き(位置や姿勢)が解析される.予め学習者は,対象動作に応じた出力パターンを選択する.パターンに従い,センサからの動作成分データは,即時にアクチュエータの出力に変換される.運動者は,例えばアクチュエータの出力が,例えば熟達者が示す正しいリズム等のプロトコルに従うように,アクチュエータの種類選択も試行錯誤しながら,トレーニングを行うことができる.フィードバック情報の種類・量に関する評価実験として,アクチュエータの各出力を,特定部位の動作成分とどう対応させれば運動者に効果的か,基礎実験を行った.
2: おおむね順調に進展している
最も重要なセンサおよびアクチュエータを備えたウェアラブルデバイスを独自に開発し,ベースシステムへの蓄積,また必要な情報の抽出/取得できている.さらに,そのシステムを利用した基礎的な実験が計画通り実施できていることから,概ね順調に進展していると判断する.
さらに実験をすすめ,動きのポイントを,より意識・理解させるために,アクチュエータの出力パターン(例:聴覚+視覚,触覚+聴覚,視覚+触覚)を定式化する予定である.また,現在の課題としては,実験における実践的な協力者の確保であるが,地域の教育機関,国内の体育教育関係者を通じて,協力を呼び掛けている.
他研究室と環境(設備)を共有する等によって,計画よりコストを抑えることができた.
コストを抑えた分,実験のための機器を拡充でき,実験規模を拡大して実施する予定である.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件)
Proceedings of Gong Show & Young Researcher Contributions on ICKM2016
巻: - ページ: 1-5
Proceedings of the Second International Conference on Electronics and Software Science
巻: - ページ: 488-492