研究課題/領域番号 |
16K16321
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
後藤田 中 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40633095)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育工学 / 運動学習 / 身体制御 / トレーニング支援 / フィードバック手法 |
研究実績の概要 |
初年度の目的であった,モーションセンサの出力に基づき,運動者の動作を解析するシステムを開発することであった.これに対し,2年目の目的は,実装したセンサにより,フィードバック情報の種類・量の調整を行う手法の検討を中心に行った.動きのポイントを,より意識・理解させるために,前年度に行った試行的なフィードバック(聴覚,視覚)の実験から,本年度は,効果的な手法として,視覚に特化した出力パターンの検討を行った.検討として,熟達者の動きを対象を理想(目標)とする場合に,そのセンサデータと教示映像を対応付けた上で,学習者の動きとの差分を映像上に重畳表示するフィードバック手法を提案した上で,開発・実装・実験を行った.
特に本年度は,ウェアラブルデバイスをオノマトペと連携させることで,他者へのスキルの共有・伝達のきっかけとなる学習支援環境を提案した.運動学習映像閲覧システムにおいて,時系列上の一連の動作を細分化し,個々に教材としての意味づけを行う.学習者の教材閲覧に対し,そのトレーニングの成長差分を学習者が実感するために,トレーニングを行っているフィールド上で,教材との差分を視覚フィードバックにより理解支援を行う.対象としては,テニスを対象とした教材の中で,教材作成時に取得したセンサ値と紐づけることで,動画共有サイトなど既存の映像配信システムにで利活用しやすいデバイスウェアラブルシステムを提案している.
この環境下で,学習者の動作の成長差分を目標に対し,数値的に表示することが可能であるが,本研究では,動作に対応するオノマトペをコミックフォントに似せて表示する手法をとなっている.トレーニング環境を通じた学習者の成長差分の認識支援を目的に,動画閲覧環境を実装し,重畳表示されるオノマトペのコミックフォントにより,動作のパフォーマンスをフォントの形状に対応させる仕組みを提案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際会議1件,および国内会議7件の成果を上げており,順調といえる.
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今後の研究の推進方策 |
実験が,少人数の規模にとどまったため,信頼性の面から提案内容とシステム評価が完全にできていない.このため,本年度では,被験者の数を増やし,他機関とも連携し,授業などでの評価を実施したいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に予定してた研究成果公表に関する出張の一部を次年度にずらしたため,その旅費分が次年度に繰り越されることになった.繰り越される分については,当初予定通りに旅費として使用する計画である.
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