本研究では,長崎における原爆投下による被害に関する全天球VR教材および,真珠湾攻撃に関する全天球VR教材を開発した.学習者は,タブレット端末を使用することによって,上下左右360度のVR環境を体験することができる.なお,本教材は,日本語および英語による文字の表記と音声解説を実装した. 本教材を活用した授業実践から,VR環境における擬似的な体験による学習効果を示すことができた.また,長崎とホノルルによる遠隔授業を実践した結果,異質性の中に含まれる他者との「異なる価値観」や「同じ価値観」を認識することができ,多様な観点から平和構築に対する思考を深め得る可能性が示された.
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