研究実績の概要 |
当初本研究ではCBDTをベースとした教育支援型意思決定モデルの構築を予定していたが、CBDTのベースとなる類似度を求める手法では、学生の質的要因などの類似度を測定することが難しいことがわかったため、29年度から本研究では別の手法の検討を行っていた。 昨年度の研究では、教師なしの学習を用いて学生の様々な要因から学生の理解度または成績を推定を行ったが、予測精度の面で厳しい結果となっていたため、30年度は教師ありの学習法を用いて分析を試みた。 学生の要因として、リアクションペーパーの情報をはじめ、小テストの点数や毎回の授業で学生自身がつけた自分自身の理解度などの13変数を説明変数とし、学生の最終成績を推定する問題として機械学習の手法を用いて分析を行った。成績と各要因との相関においては、リアクションペーパーの内容が一番高い結果となった。また本研究では、学生の問題を一早く見つけることを目的としているため、本分析では主に成績不良の学生を推定できればよいと考え、目的変数である定期試験の点数(平均値:58.7,SD:18.7)を2つのカテゴリ(60点以上:問題なし,60未満:問題あり)に分類し、バイナリデータとして扱い、問題ありに分類される学生の推定精度を検討した。いくつかの手法で推定を行ったところ、Random Forestで成績を推定したときの精度が最も高かった。この成果に関しては、学会(第43回教育システム情報学会全国大会,2018)にて発表を行った。 さらに、Random Forestを用いた教育支援システムを簡易アプリケーションとして実現できるようにVisual Basicによる開発を試みた。アプリケーションの検証等は30年度内に間に合わなかったが、引く続き本提案システムの改善、検証を行っていく予定である。
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