研究課題/領域番号 |
16K16327
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡邉 文枝 早稲田大学, データ科学センター, 講師(任期付) (50749075)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オンライン授業 / 基礎的研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,学習者同士によるオンライン相互評価の教育効果を高めるための評価方法を設計・開発することである.昨年度に引き続き,設計・開発の精度を高めるための基礎的研究を行い,その成果を発表することに注力した.主な成果は以下のとおりである. (1)「オンライン授業の現状と学生の評価―基礎ゼミ受講者へのアンケート結果を中心に―」が東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要に採録された.本論文では,東北大学の全学教育において2020年度の前期に実施されることとなったオンライン授業に関して,学生がどのような状況で授業を受講し,また現状をどのように評価しているのかについての調査を行った.主な対象者は学部1年生であった.分析の結果,2020年前期の初期における,1年生を対象とした東北大学のオンライン授業については,学生の疲労感に注意は必要なものの,学習者の環境やITスキルに大きな問題は認められず,全体的には円滑に実施できていたことが明らかになった. (2)「学び方を学ぶためのオンライン基礎ゼミ」が東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要に採録された.本論文では,約2,400人の新入生全員が単一のクラスで学べる形態のオンライン授業を開発・実施したことについての報告を行った.授業の内容は「学び方を学ぶ」ことを主眼においたものとした.ICTを活用して本授業を実施した結果,空間的な制約を取り払い,単一のクラスとして授業を実施できることや,資料や課題などの教育コンテンツの流通の容易さとスケーラビリティの高さがある一方で,学生へのケアの難しさや,プラットフォームとなるLMSの限界の影響を受けることもあることが指摘された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年次途中まで育児休業を取得していたため,研究計画が約1年間分遅れることとなった.昨年度に引き続き,論文発表を行うことで,可能な限りの挽回を図った.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も本研究で得られた成果を取りまとめ,論文の執筆や学会等での発表を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
年次途中まで育児休業を取得し,研究期間を1年間延長したため.
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