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2018 年度 実績報告書

次世代進化論に向けた構造存在論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K16335
研究機関京都大学

研究代表者

大塚 淳  京都大学, 文学研究科, 准教授 (60743705)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード生物学の哲学 / 種問題 / 自然種 / 帰納推論 / 因果モデル
研究実績の概要

計画最終年度であるH30年度は、これまでの研究結果を踏まえた口頭発表/論文・書籍執筆を行った。特に研究結果の集大成として、単著The role of mathematics in evolutionary theoryを執筆し、Cambridge University Pressに受理された。これはCambridge elementsのシリーズとして今年中に出版される予定である。
同著作の中での中心的テーマは、進化の数理モデルと帰納推論/予測の関係である。とりわけ、進化モデルの予測能力はそのモデルが想定するところの因果モデルの構造的な不変性に依拠することを明らかにすることで、初年度より扱ってきた因果構造としての存在論が、進化論における帰納推論の礎、すなわちその認識論的な基盤となっていることを示すことができた。
また、この本に含まれる内容を元に11月には台湾の陽明大学のワークショップにて招待講演を行った。
前年度に着想された生物種に関する理論については、11月にシアトルで開かれたPhilosophy of Science Associationにて発表を行った。発表原稿は若干の訂正を加えた後、同学会誌への採択が決定し、この冬の号で出版予定である。
一方、本研究の主目標の一つである群論を用いた構造存在論による定式化については、明示的な解には至っていない。しかしながら年度後半においてこの点においても有望な着想を得ることができたため、この点については新規研究課題のもとで引き続き研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Bristol University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Bristol University
  • [雑誌論文] Species as Models2019

    • 著者名/発表者名
      Jun Otsuka
    • 雑誌名

      Philosophy of science

      巻: 0 ページ: 00

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 生命と人工知能におけるデザイン問題2019

    • 著者名/発表者名
      大塚淳
    • 雑誌名

      科学基礎論研究』

      巻: 46(2) ページ: 21-27

  • [学会発表] A holistic account of evolutionary theory2018

    • 著者名/発表者名
      Jun Otsuka
    • 学会等名
      Modeling and Reasoning in the Sciences
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Species as Models2018

    • 著者名/発表者名
      Jun Otsuka
    • 学会等名
      Philosophy of Science Association
    • 国際学会
  • [学会発表] 哲学的認識論としての統計学2018

    • 著者名/発表者名
      大塚淳
    • 学会等名
      セミナー:科学哲学と精神医学の哲学 (2)
    • 招待講演
  • [学会発表] 因果推論を支える存在論と認識論2018

    • 著者名/発表者名
      大塚淳
    • 学会等名
      日本行動計量学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 進化生物学の存在論:これまでとこれから2018

    • 著者名/発表者名
      大塚淳
    • 学会等名
      日本生物地理学会大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [図書] The role of mathematics in evolutionary theory2019

    • 著者名/発表者名
      Jun Otsuka
    • 総ページ数
      000
    • 出版者
      Cambridge University Press

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公開日: 2019-12-27  

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