研究課題
平成30年度は、秋田大学鉱業博物館とドイツ・ミュンヘンにあるバイエルン州立古生物学・地質学博物館の2施設に収蔵されている白亜紀アンモナイトのタイプ標本(ホロタイプ・レクトタイプ)の収蔵状況の調査、およびタイプ標本の写真撮影と3Dスキャニングを実施した。秋田大学鉱業博物館では、白亜紀アンモナイトのホロタイプの1点(Pseudokossmaticeras yagii)の撮影および3Dスキャニングを行った。P. yagiiは、記載論文での記述では、北海道炭礦汽船株式会社のコレクションとして登録されているが、北海道炭礦汽船は、1995年に会社更生法を申請しており、その前後でコレクションが散逸したものと思われる。また、北海道の白亜紀アンモナイトのホロタイプおよびレクトタイプなど、7点が収蔵されているドイツ・ミュンヘンのバイエルン州立古生物学・地質学博物館を訪れ、写真撮影を行った。標本の3Dスキャニングについては、機材の運搬の問題があり、今回は見送った。これらの北海道の白亜紀アンモナイトのホロタイプおよびレクトタイプは、古生物学者の横山又二郎博士が、ドイツ留学中の1890年に学術誌(Palaeontographiea)に新種記載したものであり、現在もバイエルン州立古生物学・地質学博物館に収蔵されていることをあらためて確認できた。以上の平成30年度の調査において、撮影した写真データすべてを、ウェーブサイト(http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/tsujino/3d_typespecimen_renewal/index.html)に掲載した。また、タイプ標本のデータネットワーク構築のため、本ウェーブサイトに掲載している写真および3Dデータを日本古生物標本横断データベースを運営している伊藤泰弘氏(九州大学総合研究博物館)に提供した。
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Newsletters on Stratigraphy
巻: 52 ページ: 341-376
10.1127/nos/2019/0472
博物館研究
巻: 53 ページ: 35