研究課題/領域番号 |
16K16352
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 善輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (60751071)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | クレバススプレー / 微高地 / 微地形 / 平成27年9月関東・東北豪雨 / 破堤堆積物 / 鬼怒川 |
研究実績の概要 |
平成28年度は,米軍撮影の空中写真判読および現地踏査を実施し,鬼怒川左岸に分布するクレバススプレー,クレバスデルタを中心に,微地形分類を行った.この微地形分類結果と,周辺で実施されている既存コア掘削地点を考慮し,常総市石下地区・東野原地区に分布するクレバススプレーの主軸部とこれを開析して伸びるより新しいクレバススプレー上の計4地点を選定し,それぞれ掘削深度5mのボーリング調査を実施した.調査の結果,保存状況の良好なオールコア試料が得られた.まだ詳細なコア解析は実施していないが,いずれのコア試料もシルト・粘土とそれを覆う層厚1~3m程度の砂層から構成される.この層序・層相は既存コア資料と同様の傾向を示している.コア中に認められる砂層は,鬼怒川の河道が現在の位置に移って以降,約1000年間の洪水堆積物と推定される. また,平成27年9月関東・東北豪雨での鬼怒川の破堤堆積物について,採取した堆積物試料の粒度分析を実施し,破堤堆積物の粒度組成が氾濫時の越水・破堤・氾濫水流入から収束にいたるまでの堆積プロセスの変化を反映している可能性が高いことを明らかにした。特に,破堤を伴う場合には,段波の発生・流下に伴って堆積物が上方細粒化傾向を示すと考えられる.この特徴は,本年度に採取したボーリングコアの解析にも有用であり,個々の洪水イベント堆積物の識別に活用できると期待される.この成果は第四紀研究に論文として取りまとめ,2017年2月に受理された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は空中写真判読に基づく微地形分類作業とボーリング調査を実施し,良質なボーリングコア試料を採取できたが,微地形分類作業がやや遅れており,作業を完了した範囲が対象地域の一部にとどまっている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に採取したボーリングコア試料について,層相記載および粒度分析,年代測定などを行い,堆積物の堆積過程や堆積年代を明らかにする.また,対象地域の微地形分類作業を進めるとともに,コア解析結果を考慮して,新規のボーリング調査地点を選定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コア掘削開始が予定よりも遅れたため、外注による測定を予定していたコア試料の年代測定費用が未使用となり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
コア解析作業を実施し、予定していた年代測定試料の採取と発注を行う。
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