研究課題/領域番号 |
16K16354
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
林田 智弘 広島大学, 工学研究院, 准教授 (20432685)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 人工適応型エージェント / 進化計算 / 機械学習 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究では,タブー探索法(TS: Tabu Search)や遺伝的アルゴリズム(GA: Genetic Algorithms) などの進化計算手法に基づくDeep Belief Network(DBN)の探索的な構造最適化手法を開発した.DBNは,教師なし学習により入力データの特徴量抽出することのできる,Restricted Boltzmann Machine (RBM) が複数結合した構造を持つ,Deep Neural Network (DNN)の一種である.DBNは構成要素が多いため従来手法に基づく構造最適化では膨大な計算時間が必要であったが,本研究では,教師なし学習を行うRBMが各層で独立した学習が可能であることに着目した構造最適化手法によって構造最適化における計算量を大幅に削減することに成功した.画像データのカテゴリ分類問題を用いた検証実験を行い,学習用データでは分類率100%の実現に成功し,未知のデータに対しても最適化されていない構造を持つDBNと比べて非常に高いパフォーマンスを持つことが確認され,人間の持つデータ認識能力に近づけることに成功している.以上のことから,本研究では構造最適化手法の効率化によって,多くの計算コストを必要としない高いパフォーマンスを持つDBNの構造獲得の手法を提案したといえる. また,クラシファイアシステムの一種であるAnticipatory Classifier System (ACS)に関する研究についても一定の成果が得られている.さらに,機械学習の一種である粒子群最適化手法の改良や,社会ネットワーク分析や非協力ゲームへの機械学習の応用研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,平成28年度にはニューラルネットワークの構造最適化手法に関する研究のみを行う予定であった.研究実績で述べたとおり,平成29年度以降に行う予定であったクラシファイアシステムの改良やその応用研究についても一定の成果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
クラシファイアシステムの改良や,応用研究を計画通り進める.当初の計画ではゲーム理論や電力市場への応用を予定していたが,当初の計画以上に研究を進めることができたため,他の応用分野についても模索する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初見積額よりも減額された物品があったことと,当初の研究計画よりも進んだため学会・論文発表が予定よりも回数が多くなったため.
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次年度使用額の使用計画 |
実験のための計算機およびその周辺機器の購入.
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