研究課題/領域番号 |
16K16356
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高松 瑞代 中央大学, 理工学部, 准教授 (70580059)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 最適化 / 停車駅 / 混雑緩和 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,時空間ネットワークと最適化理論の融合による公共交通の設計である.本年度は,東京首都圏における優等列車停車駅の最適化に関する研究をさらに進めた.詳細は以下の通りである. 東京首都圏では通勤時間帯の列車が非常に混雑しており,鉄道会社は混雑緩和を目指してさまざまな取り組みを行っている.列車本数をこれ以上増やすことができない路線では,優等列車停車駅を変更することで混雑の緩和が期待できる.2017年度の研究では,優等列車停車駅を最適化するアルゴリズムを提案し,6つの列車種別を持つ京王線に対して数値実験を行って提案手法の有用性を示した.このアルゴリズムでは,利用者均衡配分問題を繰り返し解く局所探索法を用いている. 東京首都圏の混雑した電車を利用する乗客は,移動時間と電車の混雑率を勘案して経路を選択する.そのため,優等列車停車駅の最適化では,移動時間と混雑率に関連する評価関数と,最大混雑率という2つの目的関数をもつ問題を扱っている.2017年度の研究では複数の解を出力して現行ダイヤとの比較を行った.本年度は実験をさらに進め,この多目的最適化問題のパレート解を効率的に計算し,詳しく分析を行った.公共交通の設計では「最適解」をひとつ求めるのではなく,複数の指標(目的関数)に基づいて鉄道やバスの事業者が選べるように,複数の解を提示することが重要になる場面も多い.パレート解を効率的に計算できるようにアルゴリズムを改良したことで,より実用的なアルゴリズムになったと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響で,研究打合せの延期や,共同研究者とスムーズなコミュニケーションをとれない状況が続いたため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,オンラインでの研究打合せも取り入れながら,首都圏の鉄道時刻表設計に関する研究と地方都市における公共交通活性化につながる研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で,予定していた出張がキャンセルになったため.
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