研究課題
近年,高病原性鳥インフルエンザやSARS等の新興感染症の発生,麻疹等の大規模な流行が見られなくなった再興感染症の再燃が起こっている.本研究では,このような新興・再興感染症の早期診断および発生地域における流行の最小化のために,大規模な生体情報データ(心拍数・呼吸数・体温)に基づく感染症サーベイランスシステムを開発し,機能させることを目的とする.今年度は,感染症サーベイランスシステムを実装するために,シミュレーション上で,過去4年間収集したインフルエンザ患者の心拍数・呼吸数・体温の大量なデータを自己組織化マップを用いて年度ごとの流行特性を可視化を実現した.また,今後空港検疫所での利用を想定し,現在空港検疫で使用されている赤外線・CMOSカメラを用いて,画像処理で非接触で呼吸数・心拍数・体温の測定法を提案し,その有効性を福島のクリニックで季節性インフルエンザを対象に検証した.以上の研究成果を,国際論文誌や国内外の学会で積極的に研究発表を行った.
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り,シミュレーション上で収集された大規模な生体情報データをニューラルネットワークを用いてサーベイランスマップ可視化の手法を構築し,過去4年間収集したインフルエンザ患者のデータを用いて検証した.さらに,画像処理で非接触で呼吸数・心拍数・体温の測定法も提案した.従って,初年度は計画通り順調に進展していると判断する.
初年度の研究計画通りに進めることができたので, 次年度は感染症スクリーニングシステムとサーバ間の通信網を構築し,感染症サーベイランスシステムを実装・機能させる.また,フィールド試験をベトナムで行う予定である.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
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