研究課題/領域番号 |
16K16363
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
孫 光鎬 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (80756677)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 感染症検出システム / デング熱 / バイタルサイン |
研究実績の概要 |
感染症の発生と流行が世界的規模で相次いで起こっているが,新興感染症は免疫を持っていないために感染が拡がると甚大な被害が予想される.本研究では,従来のサーモグラフィを利用した検疫システムに加えて,マイクロ波レーダなどの生体センサを併用して体温,心拍数,呼吸数といった生体情報を短時間で計測することによって,迅速かつ高信頼性の新感染症スクリーニングシステムの研究開発を目的としている. 今年度は,開発した複数の感染症スクリーニングシステムを日本国内(高坂クリニック)においてはインフルエンザ,海外(ベトナム国立熱帯病病院)ではデング熱患者を対象に臨床評価を行った.2017年8月,ベトナム・ハノイでデング熱が大流行し,ベトナム国立熱帯病病院で1週間で約400例のデング熱患者をスクリーニングし,初めて海外で同システムのフィールド試験を行い,その有効性を示した.日本国内と海外で計測した大規模な生体情報を応用した感染症サーベイランスの観点から,臨床感染症分野の国際論文誌や国内外の学会で積極的に研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は複数の感染症スクリーニングシステムを用いて臨床現場で大規模な生体情報データの収集及び実地検証を行い,実用に耐えられるシステムか評価し,その有効性を示した.従って,当初の計画通り順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
感染症スクリーニングシステムの計測安定を向上させ,引き続き日本とベトナムで臨床フィールド試験を行い,3年間で収集した生体情報データを用いて感染症ハザードマップを構築し,その有用性を評価する.
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