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2018 年度 実施状況報告書

複数事例の進展統合化グラフによる事業所内の潜在的リスク可視化システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K16367
研究機関岡山商科大学

研究代表者

箕輪 弘嗣  岡山商科大学, 経営学部, 准教授 (50464300)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード事例解析 / Text Mining / 事象進展 / Visualization / Risk Analysis / Risk Assessment / Hazard Analysis
研究実績の概要

昨年度の成果から複数の進展を可視化するための検討や予備的実験を実施した.
可視化手段の調査: 可視化手段において課題としているのが,事象の進展のグラフ化におけるインタラクティブ性である.データ解析の技術は発展途中であり,必ずしも答えがあるわけではない,しかし,解析者が気になった箇所を深く掘り下げられる事で新たな知見が得られる事がある.この実現には,事例を解析するツールとして構築した際,本手法がインタラクティブな操作により,追加情報の提示に対応できる事が望ましい.Network graphにおけるインタラクティブな機能要件としては,Zoom, Hover, ノードのインタラクティブ操作,Tooltipらの機能が挙げられる.Tooltipにより,解析者が気になるノードを選択すると付加情報を示す事ができる機能,および,ノードを特定の規則性で配置・表現する手法などが解析の利便性を高めるだろう.それら要件を満たす可視化ライブラリはJavaScriptベースな物が多かった.JavaScriptベースなライブラリはブラウザ上での利用やElectronといったプラットフォームでの利用には適しているが,申請者ら開発環境の相違や相性の観点から直接利用するのは難しい.現段階の結論として,前述した要件全てを満たし申請者の実装環境で時間を要せずに導入できるライブラリは見つかっておらず,インタラクティブなノード操作を除いたBokeh,NetworkXといったライブラリを組み合わせる事を最良であるという結論に至った.
また,事例特有の解析の問題について検討した.本解析基盤では,以前の研究対象においては主語-述語のペアを高い精度で抽出できていたが,事故事例といった意図を凝縮した複文では解析の拡張の余地がある事がわかった.現在,解析の手順を見直し,および,精度向上のために手順の複雑化の解消を図っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

事例のデータ構造が複雑で把握が困難であったため,グラフのインタラクティブ性,辞書の追加やメタデータの拡張が,解析の精度を向上させるのに必要であり,研究方向性へ調整と解決のための実装に時間を要している.また,他のプロジェクトに時間を必要としてしまい,計画通りに時間の確保ができなかった.現在,他のプロジェクト2件をほぼ完了させ,2報の英文journalを投稿している.その内,1報は初投稿故に修正に時間を要する可能性はあるが,0からの執筆に比べれば,修正に必要とする時間も短い.また,残り1プロジェクトは継続中であるが,昨年に佳境を超えており,本年度は十分な時間の確保を見越しており,研究の遅れを取り戻せる見込みである.

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で述べた通り,メタデータ解析のサブシステムの精度向上に務める.現状では,事例データから更なる情報を引き出せると考えている.メタデータの抽出が充実できれば,事象の進展の可視化において提示できる情報が増え,解析者の理解が促進する事が期待できる.
また,進展の連なりを構成する単語の綴(つづり)違いがあっても相違を吸収して,事象の進展の幹をマージして可視化できるようにする.そのために,文の意味を示す主要単語に対して,オントロジー(構造的辞書)を構築する.このオントロジーは,単語の綴り違いがあっても,その大局的な意味の解釈を示すのに使用できる.極端な例ですが,作業者と作業員という綴違いがあっても,オントロジーの中で人(level1)-作業員(level2),作業者(level2)と関係が記載されていれば,そのオントロジーを読み込み,システムに「作業者」と「作業員」は同じ「人」であるという事を解釈させ,事象の進展における隠れた進展の幹を顕在化できるものと考える.左記は極端な例であり,解析においては対象が主語か目的語かで役割が変わってくるため,最適なオントロジーの作り方も合わせて明らかにしていく.

次年度使用額が生じた理由

前年度は別プロジェクトに従事する必要があり,計画通りに実施できなかった.だが,従事したプロジェクトにおいては,有益性を主張するjournalを投稿して十分な役割および成果を示した.本プロジェクトにおいても残り限られた期間に論文を投稿し成果を示すよう務める.

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公開日: 2019-12-27  

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