本研究では、災害遺構が実践的な防災・減災活動を生み出す「場」としての役割を果たすために必要な要件を明らかにすることを目的に、以下の三つの課題に取り組んだ。 第一に、国内外の災害遺構の保存・活用事例から、「モノ」としての災害遺構と、災害遺構がもたらす「意味」との対応関係から災害遺構の保存のあり方について考察した。第二に、災害遺構の価値要素を分類した。第三に、地域住民が認識する価値構成を把握した。 これら一連の調査結果を踏まえて、地域コミュニティが主体となった災害遺構の保存・活用のあり方について提言した。
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