研究課題
若手研究(B)
不飽和堆積物上において土石流規模が急激に増大するメカニズムを実験により検討した。緩勾配条件では土石流は停止と再移動を繰り返して規模はほぼ変化しないが,急勾条件域では土石流が一旦停止して後続流と共に規模を増大させて一気に流出した。このような現象を再現するための計算手法を,既存の土石流の粒子法モデルに不飽和浸透モデルを導入することにより開発した。開発手法を用いて実験結果を再現可能であることを示した。
山地防災学
不飽和浸透過程を伴う土石流の数値計算手法はこれまでにほとんどなく,先進的なモデルである。また,土石流が侵食発達によって急激に規模が増大するメカニズムは未解明であった。この手法を用いることでこのような複雑な現象が再現可能となったことは学術的に意義は大きい。また,土石流規模の予測精度が高まり,効率的な土石流対策が可能となることが期待され,社会的意義も大きいと言える。