重症心不全・呼吸不全の患者に対して、遠心血液ポンプや人工肺で患者の心肺機能を補助する機械的補助循環治療(PCPS,ECMO,VAD)が行われる。この治療における重篤な合併症は血栓塞栓症であるが、遠心血液ポンプ内における血栓をモニタリングする手法は存在しなかった。 我々は血栓形成時の光学特性の変化に着目し血栓検出装置の開発に取り組んだ。作成した装置にて動物実験を行い、ポンプの上部ピボット(ポンプには上下2か所のピボットを持つジャイロポンプを用いた)に血栓が出来た時の光学的変化のモニタリングに成功した。今後は企業と共同で臨床現場において使用可能な遠心ポンプ内血栓検出装置の開発を進めていく。
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