研究課題
本研究の目的は、超音波治療の新規で革新的な3次元超音波イメージングを可能にする小型1.5-dimensional(1.5-D)アレイプローブ、および3次元イメージングのための新規アルゴリズムの研究開発である。昨年度まで、新規の3次元超音波イメージングのための1.5-Dアレイプローブの形状・超音波パラメータの最適化を行い、。最終年度は、1.5-D超音波アレイプローブを実際の治療装置に統合した治療システム開発を行った。本研究の目的である、1.5-Dアレイプローブによる組織変位の追従が実際の治療系でも可能かを検証するため、自動3軸ステージを使い、組織変位を模擬した実験系を構築した。強力集束超音波照射実験を行った結果、実際の体動の速度でも十分に組織変位が追従できることを確認した。本研究を通して研究開発した新規超音波プローブの実用性・有用性を確認した。また、強力集束超音波治療時の治療用超音波ノイズを除去する新規アルゴリズムを開発し、そのアルゴリズムを本イメージングプローブに実装した。本研究により、従来の1-dimensional(1-D)アレイプローブでは、追従不可能なスライス方向(超音波照射方向に対して垂直な方向)の変位を追従する1.5-Dアレイプローブを開発し、従来の約3倍の範囲までの変位を追従することができるようになった。本研究により、非常に低コストで、広範囲(従来の3倍)の超音波治療モニタリングが可能になり、従来の超音波治療では不可能であった、呼吸振動を追従できる安全な治療が実現できることが示唆された。また、本研究で得られた成果により、医師の知見・スキルに依存しない、半自動超音波治療システムを構築することができた。
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