研究課題/領域番号 |
16K16406
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大西 峻 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (30706833)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | X線画像 / DSA / IVR / 履歴画像 / 画像解析 |
研究実績の概要 |
本研究では,術中に撮影された履歴画像から有用な情報を抽出し,リアルタイムに撮影される画像へフィードバックするための呼吸動態解析法及び画像処理法を開発することを目的としている.例えば,画像下治療では間欠的に撮影したX線画像は破棄されることが多く,必要に応じて撮影を繰り返す.撮影回数・時間の増加は患者の二次的疾病の発生リスクを増大させる.本研究課題はいずれの画像にも有用な情報が含まれていることを鑑み,履歴画像を破棄せずに蓄積し,再利用する手法の構築を目的とする. H28年度では機械学習手法や成分分析手法を取り入れた,基礎的な呼吸位相同期手法と造影領域の抽出手法の構築を行っていた.H29年度では各手法の高度化を行った.機械学習手法関しては,入力する特徴量を選定し実利用を考慮した計算速度を達成した.手動による設定項目が大幅に削減され,オペレータに対する負担が軽減された.また,臨床において有効性評価を行うための評価システムの構築を行った.ただし,評価システムは基礎部分は構築できたものの,今後も完成度をあげる必要がある. 成分分析手法に関しては,H28年度に実装した手法は,一般的なカメラで撮影された動画像を想定した手法であり,X線画像の特性を考慮していなかった.CT再構成で利用される全変動の他,値域を限定するなどのペナルティを加えた.また,解法についても新たな手法に適した方法を導入した.これにより従来発生していた不自然なアーチファクトが大幅に低減できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像データはこれまでに十分な数を収集しており,このデータセットを用いて後処理的に各手法の有効性を評価した.客観的指標を用いた評価では改善が確認された.しかしながら,医師による主観評価や臨床での評価は実施できていない.構築した手法を統合化させるとともに,評価システムを完成させ,臨床にて評価を行う必要がある. 成分分析手法はアーチファクト低減効果は向上させられたものの,計算速度に関しては臨床評価に耐えられるレベルにはない.GPUを導入するなど,高速化が求められる
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今後の研究の推進方策 |
成分分析手法の高速化に関しては,すでに新規の環境を用意しており,実装とアルゴリズムの改良を進める.これと並行して評価システムの調整と改良,成分分析手法との統合化を進める.評価システムが運用可能になり次第,臨床において評価を行う.
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