室温で硬い細胞接着性ゲルマトリクスに包まれた細胞が休眠化することを実証し,休眠化に導く因子を明らかにした。さらに,間葉系幹細胞にも同様な現象が認められた。研究代表者らは先行する研究で,室温で強固なゼラチンゲルに包埋した皮膚線維芽細胞シートが1週間形態を変えず、90%を超える生存率を保持して再度培養へと移行した。本研究では,ゲルで包埋された細胞は休止期へ移行しなかったが,その遊走および増殖を停止して休眠化した。弾性率300 Paを超える硬いゲルに細胞を接着させた後、25℃付近の環境に置くと,可逆的に休眠化すると明らかにした。本研究の成果は、安全かつ確実な短期細胞保存システムの創出に期待される。
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