研究実績の概要 |
換気不能状態から数分以内に迅速かつ確実な気道確保を行うことができれば、心停止を予防でき患者予後改善につながる。ゆえに、各種気道管理困難時に迅速に使用できる緊急気道確保器具の評価、改良は急務である。新規開発された間接声門視認型喉頭鏡(エアウェイスコープ、キングビジョン、グライドスコープ、McGRATH)や声門上器具(air-Q, i-gel, Supreme)等の開口困難や喉頭展開困難症例等での有効性は示唆されているが、緊急時気道確保の観点からの評価は少ない。特に、間接声門視認型喉頭鏡や声門上器具使用のの障害とされる嘔吐や吐血による咽頭視野が障害される状況での緊急気道確保に対する評価は行われていない。 緊急時対応に関して臨床研究を行うことは不可能であることから、シミュレーターを用いて、開口困難、頸椎固定、咽頭スペース低下などの解剖学的気道確保困難だけでなく、唾液、嘔吐、血液等の存在下での間接声門視認型喉頭鏡や声門上器具の評価を網羅的に行い、各種気道管理器具の改良および開発を目的としている。 平成28年度に得られた評価を用いて、各種間接声門視認型喉頭鏡や新規声門上器具について改造を行い改造における有効性を検討した。具体的な改造としては、間接声門視認型喉頭鏡のチューブガイド部の長さの調整や除去、モニター画面の外部投影や、外部吸引接続が考えられる。また声門上器具のシャフト部の湾曲を変更することにより、有効性が改善するか検討した。
|