本研究の目的は低次・高次のメンタライジングに関連する神経線維を明らかにし,感情のネットワークの解明を目指すことである.本研究では,覚醒下脳腫瘍摘出術を施行したグリオーマ患者を対象として,下記2つの方法で研究を行った;1) 画像統計解析を用いて関連する領域,および神経線維を調べる.2) 覚醒下手術においてメンタライジングの評価を行い,陽性所見を認めた部位と神経線維の関連を調べる.結果,低次と高次のメンタライジングには異なる神経線維が関与することが示唆された.低次のメンタライジングには右弓状束,高次のメンタライジングには上縦束IIIと前頭線条体路が関与していた.
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