研究課題
4月~6月に被験者登録を実施し、7月より本実験を開始した。実験の運動学習課題は系列反応課題とした。本課題は、国際的に使用されているボタン押し課題であり、規則的刺激呈示時のボタン押し反応時間とランダム視覚呈示時のボタン押し反応時間の差を調べることで学習量を調べることができるものである。本課題を、tACSの介入前後に実施し、刺激に伴う運動学習量の変化を調べた。tACSは、刺激電極(7㎝×5㎝スポンジ電極)を一次運動野直上の頭皮とし、リファレンス電極は眼窩部とした。刺激強度は経頭蓋電気刺激の安全性に関するガイドラインに従い1mA(電極下の電流密度0.0286mA/cm2)とし、刺激時間は10分実施した。本研究で予定していた60名分の脳磁図データおよび脳MRIの収集は年度内に完了し、次年度に予定していたデータ解析ステップに年度内に移行した。運動機能解析では、tACS前後の規則的刺激ブロックのボタン押し反応時間及びエラー回数を調べ、特定の刺激で反応時間が早くなることが明らかとなった。一方、ボタン押しのエラー回数については、刺激の種類による変化は見られなかった。また、脳機能解析ではtACSに伴う運動学習能力の変化に伴い一次運動野と一次感覚野の機能的結合が強まることが明らかとなった。周波数の位相成分と周波数振幅との関連性(Phase amplitude coupling)や、tACSに伴う脳情報の変化(neural decoding)については現在解析を進めている状況である。
1: 当初の計画以上に進展している
当初、60名分の脳磁図データ収集に2年程度要すると考えていたが、年度内にデータ収集を完了したため。
平成28年度に引き続き、脳磁図データの解析を進めtACSによる運動学習能力の変化と脳機能との関連性を調べる。また、得られた成果を学会および論文にて発表する。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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