研究課題/領域番号 |
16K16432
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
岩本 えりか 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40632782)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 剪断波エラストグラフィ / 動脈硬化 / 血管 / スティフネス |
研究実績の概要 |
<研究1>昨年度までに、すでに性周期によって、血管スティフネスが変動することを明らかにしたが、それが女性ホルモン(エストロゲン)の変動によるものかは不明であった。今年度は、静脈血採血を行い、血中エストラジオール濃度を測定することにより、エストロゲン濃度が剪断エラストグラフィで測定した血管スティフネスに影響しているかを、より詳細に明らかにすることとした。測定した結果を今後解析する予定である。
<研究2>剪断波エラストグラフィで測定した血管のスティフネス(硬さ)の指標が、これまで用いられてきた血管スティフネスの指標と関連があるかを明らかにすることを目的とした。 従来の血管スティフネスの指標としては、血管コンプライアンス、βスティフネスと脈波伝搬速度(Pulse wave velocity;PWV)を用いた。若年者を対象に、 剪断波エラストグラフィを用いて、大腿動脈のヤング率を算出した。さらに、血管コンプライアンスとβスティフネスの算出のために、血圧、大腿動脈の血管径 の変化を測定した。また、全身の血管の硬さの指標として、腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)を測定した。昨年度から今年度にかけて測定した結果を、今後解析するである。
<研究3>急性の下肢自転車運動前後で剪断波エラストグラフィと従来の血管スティフネスの指標(血管コンプライアンス、βスティフネス)の変化を明らかにすることを目的とした。従来の血管スティフネスの指標は急性の運動後に変化することが報告されている。このことは、従来の血管スティフネスの指標は、器質的な要素だけでなく、 機能的な要素の影響を大きく受けていることを示している。そのため、急性の下肢自転車運動前後で、大腿動脈の剪断波エラストグラフィと血管コンプライアンス、βスティフネスを測定し、変化を比較することとした。現在、予備実験が終了したところであり、来年度、本実験を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
妊娠出産に伴う産前産後休暇を取得し、研究活動を中断したため、実験および解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
<研究1、2>すでに測定済みのデータを解析し、論文作成を進める。
<研究3>急性の下肢自転車運動前後で剪断波エラストグラフィと従来の血管スティフネスの指標の変化を明らかにする研究については、被験者を集め、速やかに本実験を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠出産に伴う研究活動の中断により、研究が遅延しており、そのために次年度使用額が生じた。研究実施に伴う被験者謝金および論文校正費、投稿費として使用する予定である。
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