リハビリにおける徒手療法の精神的効果とその機序の詳細については不明である。研究代表者らは触刺激によって快情動中枢の神経伝達機能が変化することを明らかにした。本研究では触刺激による情動変化の脳内機序を解明し、触刺激を用いる徒手療法がリハビリの意欲向上に貢献する生理学的根拠の構築を目的とした。意識下ラットに触刺激を行い、快情動の指標である超音波発声を記録した。その結果、1)触刺激によって顕著に快情動超音波発声がみられること、2)触刺激時の側坐核ドーパミン放出増加に側坐核内のオピオイドとセロトニンが関与すること、3)触刺激時の快情動超音波発声は側坐核内のドーパミンを介して起こること、を明らかにした。
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