研究課題
若手研究(B)
本研究は,脳出血モデルラットを用いて,スキル学習が神経可塑性関連因子に及ぼす影響について検証した.コラゲナーゼ注入法を用いて脳出血モデルラットを作製し,アクロバティック課題を術後4日目から28日目まで実施した.リアルタイムPCR法を用いて,神経可塑性関連因子のmRNA発現量を解析した.その結果,脳出血後のスキル学習は,感覚運動野におけるグルタミン酸受容体(AMPA受容体),樹状突起関連因子(MAP2),脳神経由来神経栄養因子(BDNF)のmRNA発現量を促進させることが明らかとなった.
神経生理学
脳卒中リハビリテーションにおいて,運動療法は運動麻痺を改善させることができ,臨床現場では,様々な運動療法が展開されている.しかし,科学的根拠に基づいた運動療法が提供されているとは言い難く,それぞれの運動療法の効果を早急に追究する必要がある.本研究では,脳卒中後のスキル学習が脳機能を改善させ,機能回復を促進させる有効な運動療法であることを示した.本研究は,脳卒中後の運動療法としてスキル学習の有効性を示した研究資料として重要な意義を持つ.