本研究は急性期脳卒中患者に対する歩行感覚提示装置を用いた歩行リハビリテーションの運動機能および運動生理に対する効果を明らかにすることを目的としている。初年度である平成28年度は研究実施施設で対象者の募集を行い、研究対象者の条件にあった7名を対象に研究を実施した。研究対象者を歩行感覚定時装置を用いた歩行リハビリテーションを行う介入群(5名)と従来の歩行リハビリテーションを行う対照群(2名)に無作為に分け、週5回、4週間の各歩行リハビリテーションを実施した。評価は研究開始前、1週目、2週目、3週目、研究終了時に行い、評価項目は、歩行自立度(Functional Ambulation Category)、10m最大歩行速度、6分間歩行試験、運動麻痺(Fugl-Meyer Assessment)、下肢筋力(麻痺側・非麻痺側の股関節屈曲伸展筋力、麻痺側・非麻痺側の膝関節屈曲伸展筋力)、歩行時の大腿四頭筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋の筋活動量、モーションキャプチャを用いた動作分析、重心動揺検査、バランス機能評価(Functional Balance Scale)とし、下肢筋力、筋活動量、動作分析、重心動揺検査、バランス機能評価は研究開始前、3週目、研究終了時に実施した。また、10m最大歩行速度は1回ごとの歩行リハビリテーション前後で測定した。平成29年度は平成28年度と同様に研究対象者の募集を行い、介入群と対照群に割り付け、週5回4週間の各歩行リハビリテーションおよび評価・測定を行い、歩行感覚定時装置を用いた歩行リハビリテーションの運動機能、運動生理に対する効果を調べる予定である。
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