研究課題
平成30年度は,実用化に必要な課題として,新たに1)学習データの追加収集,2)識別処理と伝達方法の改善,3)音源方向の推定,について検討を重ねた結果,多種多様な警告音への対応が最優先と判断し,1)を重点的に実施した.具体的には,Urban Sound Dataset(世界中のユーザがアップロードした音データから都市の日常音を選別しラベリングしたデータ・セット)から車のクラクション428個,救急車のサイレン929個,自転車のベル169個を追加収集した.その後,それらからノイズの比較的少ないデータとして,車のクラクション151種,救急車のサイレン120種,自転車のベル103種(各種1~2個)を選定し,これまでの識別対象5種(車のクラクション,救急車のサイレン,自転車のベル,火災報知器,騒音)に追加の上,実験を行った.5-fold法で評価した結果,約97%の識別率を得た.すなわち,新種の音データに対して,同一のアルゴリズムにより,学習データを追加するのみで対応可能なことを確認した.なお,追加の学習データ採取システムについては,非営利のマイクロボランティア・クラウドソーシングプラットフォームであるCrowd4Uを用いることで実現可能となることを確認した.研究期間全体を通じて実施した研究の成果として,1)歩道などの騒音の多い環境下においてもスマートフォンのみで警告音5種(車のクラクション,救急車のサイレン,自転車のベル,火災報知器,騒音)を識別し,2)ユーザが選択した警告音種のみ通知可能であり,3)新規の警告音種についてはデータを追加し再学習することで識別可能となるシステムを構築した.今後については,これまでの成果を発展させることで,クラウドソーシングによる学習データ採取システムの構築,識別対象の拡張,識別処理と伝達方法のさらなる改善,音源方向の推定等に取り組んで行く予定である.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Proc. 7th International Conference for Universal Design (UD 2019)
巻: - ページ: 1-8
Proc. the 6th AAAI Conference on Human Computation and Crowdsourcing (HCOMP 2018)
巻: - ページ: 88-97
Proc. The Second IEEE Workshop on Human-in-the-loop Methods and Human Machine Collaboration in BigData (HMData2018)
巻: - ページ: 3497-3502
10.1109/BigData.2018.8622320