本研究の目的は、AD患者のオプティッ・フロー(以下OF)認知障害を評価し、町を歩く際の環境整備などの基礎的情報を得ることである。対象はAD患者9名と健常者9名であった。方法は、対象者の前方のスクリーンに正面から左上,左下,右上,右下の位置にOFの中心のある刺激を提示し、中心を棒で指示させた。この間の固視点を眼球運動計測装置で計測し、各固視点とOFの中心の距離θを求めた。 結果は、AD患者9名中5名において,4方向のいずれかで健常者より明らかな異常がみられた。4方向のどこに異常があるかを確かめることで、生活上の困難が異なる可能性が考えられ、リハビリの基礎的情報として有用な可能性がある。
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