本研究は重度肢体不自由者を対象とした残存機能を用いた意思伝達支援装置の研究を行った.筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象とし,残存機能として眼球運動に着目した.申請者はこれまで眼電位を用いたスイッチ操作の検討を行っており,単一スイッチでの意思伝達支援装置として,走査入力方式による文字入力の検討を行っていた.しかし,単一スイッチによる走査入力方式では文字入力に時間を要してしまう.そのため,利用者は意図的に文書を簡略化してしまう傾向が確認された.そこで,本研究は視線入力より複数の入力動作を提案し,符号化入力方式の検討を行った.
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