研究実績の概要 |
血液透析患者における低活動状態の遷延は、骨折や主要心血管イベントを増加させるだけでなく、生命予後を悪化することが知られている。しかしながら、こうした低活動状態の遷延が身体的虚弱、あるいは日常生活制限の発生に及ぼす影響については明らかになっていない。そこで我々は、多施設共同研究を行い、血液透析患者における低活動状態の遷延が身体的虚弱や日常生活制限の発生に及ぼす影響について、明らかにすることを本研究課題とした。 現在、2施設が本多施設共同研究に参加しており、すでに倫理審査委員会の承認を得ており、実際にデータ収集が行われている。また、本研究はオープンコホート研究であり、引き続き参加施設を探している。これまでに収集できたデータをもとに、いくつかの海外学会(アメリカ腎臓病学会2016・シカゴ、世界腎臓病学会2017・メキシコ)、国内学会(複数)にて演題の発表を行った。また、本研究を遂行するうえで重要な血液透析患者における低活動状態を定義づけるために活動量の推奨値を明らかにする論文を発表した(Ryota Matsuzawa R, et al. J Ren Nutr. 2017)。また、低活動を是正するために重要な血液透析患者に対する監視型運動療法の効果についても検証を行い、論文化に成功した(Matsuzawa R, et al. Kidney Int Rep. 2017)。また、他にも腎不全患者における身体活動量に関する論文を複数発表することができた(Ryota Matsuzawa [correspondence], et al. BMC Nephrol. 2017; Ryota Matsuzawa, et al. Renal Replacement Therapy. 2017)。
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