研究実績の概要 |
血液透析患者における低活動状態の遷延は、骨折や主要心血管イベントを増加させるだけでなく、生命予後を悪化することが知られている。しかしながら、こうした低活動状態の遷延が身体的虚弱、あるいは日常生活制限の発生に及ぼす影響については明らかになっていない。そこで我々は、多施設共同研究を行い、血液透析患者における低活動状態の遷延が身体的虚弱や日常生活制限の発生に及ぼす影響について、明らかにすることを本研究課題とした。 現在、2施設が本多施設共同研究に参加しており、すでに倫理審査委員会の承認を得ており、実際にデータ収集および順次解析が行われている。2018年度はアメリカ腎臓病学会(サンディエゴ)での演題発表、国内学会にて複数演題発表を行った。加えて、血液透析患者の身体活動量を定期的に管理することが生命予後の改善につながることを明らかにした論文を発表した(Yamamoto S, Matsuzawa R, et al.Kidney Blood Press Res. 2018)。また、本邦の透析患者を対象にした大規模疫学調査のデータを用いて、functional statusの経年的な低下が死亡リスクの上昇に影響することを明らかにした(Matsuzawa R, et al. J Ren Nutr. 2018)。また、今年度は他にも腎不全患者を対象にした医学論文を複数発表することができた(Mtsuzawa R. Contrib Nephrol. 2018; Yamamoto S, Matsuzawa R, et al. JCSM clinical reports. 2018; Shimoda T, Matsuzawa R et al. J Ren Nutr. 2018など)。
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