研究課題
若手研究(B)
超高齢社会を迎えた我が国の老老介護の現状に対し,介護者のQOL向上を目的に福祉機器の中でも需要が高い車椅子に着目した.車椅子操作のメカニズムの定量的な解析方法,および解析に基づく車椅子形状の提案をした.さらに,慣性センサを用いた簡易的な歩行状態の計測により,車椅子操作時の介助者の動作と介助力は連動し,その両者には規則性があることを明らかにした.最終目標である運動と力覚情報の融合によるアシスト力の生成法の提案には至らなかったが,実現のための有効な結果を残した.
計測制御工学、医療福祉工学
本研究課題を遂行するにあたり,日常的に使用頻度の高い福祉機器である車椅子の介助者および乗車者の操作メカニズムを明らかにした.これにより,今後の新たな機器の提案に有効なものとなったと考える.また,力覚情報による人間が操作の解析や,これまで複雑な解析が用いられてきた歩行動作をモーションセンサのみで簡易的に把握できることを示したことで,車椅子以外の3次元運動における種々の解析に有効な手法の一例となった.