本研究の目的は、「身体学」という新たな学問を構築することであった。そのために現象学を基礎理論に据え、スポーツ運動学を応用理論として位置づけた。身体学の原理としては、身体がいかにして身体に「成る(Werden)」のか、という根本的な問題を研究した。またそれと並行して、身体学の方法論を開発、整備することも研究した。これについては例えば、人が様々なスポーツや武道を行うことの中で感じられている身体と運動の感覚を記述として残し、それをデータとして収集するという質的な研究方法を採用することとなった。これらの原理論と方法論の研究によって、身体学の大枠を形成することができた。
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