研究実績の概要 |
本研究は、アメリカにおけるダンス教育のスタンダードを対象に、ダンス教育の指導内容及びその作成過程を明らかにすることを目的としている。平成29年度以降の計画は、課題2:1994、2014年策定のナショナルスタンダードの構成及び内容の変容を考察するであった。目的達成に向け新旧のダンスのスタンダードであるNational Standards for Dance Education [NSDE] (NDA, 1994)とNational Core Arts Standards [NCAS] (SEADAE, 2014)を対象に、その構成の変更点を確認し、記述内容の相似及び相違を検討した。 その結果、内容に関するスタンダードはNSDEがcontent standardとして7つで構成されていたのに対し、NCASではAnchor standardとして11つで設定されていた。到達度に関するスタンダードはNSDEがAchievement Standardだったのに対し、NCASではPerformance standardなっており、4年ごとの発達段階でスタンダードが括られていたものから、学年ごとで示されるようになった。したがって、NCASは、内容、到達度に関するスタンダードともに細かく示されるようになったといえる。また、NCASのスタンダードは、全ての芸術領域で芸術に関するリテラシーが高められることを意図して、創造する、実演する、応答する、結び付けるという4つの芸術過程によって区分している。さらに、NCASのPerformance standardは、NSDEと概ね同様の内容を扱っているが、「健康的な生活との関連付け」のみ対応していなかった。総じて、NCASはNSDEの記述内容を概ね踏襲しながらも、芸術志向を強め、より細かくスタンダード設定するようになったといえる。
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