本研究課題では,サッカーのボールキックにおいて,目標となる方向にボールを蹴り出すためのボールインパクト技術を明らかにすることを目的とした. 2018年度は,前年度に未達成であったインステップキックよって各種方向に静止したボールを蹴る動作のデータ分析を完了させた.そして,ボールに対する足部の接触位置や足部のスイング方向,足部の姿勢などのパラメータとボールの進行方向(左右方向)との関係を検討した.その結果,ボールに対する足部の接触位置がボールの進行方向に最も強い影響を及ぼすことが明らかとなった.つまり,ボールの進行方向をコントロールするためには,ボール中心に対して足部を接触させる位置を左右にずらし,対角からインパクトすることが最も重要であると考えられた.一方で,いずれの方向にボールを蹴る際も,足部の甲の足関節に近い位置をボールに接触させることが明らかとなった.ボールを蹴り出す方向に関わらず,足部の同じエリアを用いてボールを蹴ることが示された.足部の姿勢に関しては,足部長軸回りの回転角度とボールの進行方向との関係が特に強かった.この長軸回りの回転によって足部の甲の向き変化させることが,ボールの進行方向をコントロールすることに寄与すると考えられた.これらの成果は,ISBS2018 Conference,及び第25回日本バイオメカニクス学会において公表した.上記の研究と並行して,動いているボールを各種方向にキックする動作のデータ収集,及び分析を行なった.この成果は,日本フットボール学会 16th Congressにおいて公表した.
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