研究課題/領域番号 |
16K16511
|
研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
苅山 靖 山梨学院大学, スポーツ科学部, 講師 (30734660)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | トレーニング / 伸張-短縮サイクル / 両脚と片脚 / トレーニング効果の転移 |
研究実績の概要 |
下肢に対する高強度パワートレーニングであるプライオメトリックトレーニングは、同じエクササイズであっても行ない方によって大きく特性の異なる運動が形成されること、一定水準の技術や体力が確保されていないと適切なトレーニング効果が引き出せないことが指摘されている。申請者らはこれまでに、プライオメトリックトレーニング手段としてのジャンプ運動について、技術性の高いジャンプ運動を実践する前に高めておくべき基礎的なジャンプ運動とその機序について示してきた。本研究では、これまでに検討してきたジャンプ運動とさらにその下位に位置づくジャンプ運動、レジスタンストレーニング運動との関係性について、これまでの申請者らの研究と合わせて論考することで、基礎的な筋力の向上から高度なジャンプ運動に至る、一連の階層構造モデルを構築する。 H28年度では,各種筋力・パワートレーニング手段における相違点および類似点を検討するために、各種ジャンプ運動とレジスタンストレーニングで用いられるスクワット運動におけるパフォーマンス変数および地面反力、下肢関節の力学的変数(関節仕事、貢献度)などを収集する実験を行った。なお,当該実験は山梨学院大学研究倫理委員会で承認された上で実施した。 筋力・パワートレーニングを定期的に実施している体育大学生および大学院に所属する男性競技者18名を対象に、両脚および片脚において、リバウンドジャンプ(できるだけ踏切時間を短く高く跳ぶ),垂直跳(できるだけ高く跳ぶ)、反動無し垂直跳、スクワット(付加重量:両脚スクワットの最大挙上重量に対する30 %、60 %、90 %.片脚試技ではこれらの半分.)を実施した。三次元自動動作分析システム(VICON MOTION SYSTEMS 社製)およびフォースプラットフォーム(KISTLER 社製)を用いて,各試技における地面反力,身体座標値を計測した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H28年度では,各種ジャンプ運動やレジスタンストレーニングで用いられるスクワット運動といった、各種筋力・パワートレーニング手段における相違点および類似点の検討するための実験を計画していた。当初の予定通り適切に実験を行うことができたため、現在はそのデータ分析を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度はまず,昨年度実験のデータ分析を行う。地面反力データや下肢関節の力学的変数(関節仕事、貢献度)などの各種力学量から、各種ジャンプ運動やスクワット運動における筋力・パワー発揮特性について検討する。そして、その結果と申請者のこれまでの研究成果を基に、基礎的な筋力の向上から高度なジャンプ運動に至る、一連の階層構造モデルを構築する。さらにその際には、スポーツ競技の多くが片脚で行われていること、両脚運動と片脚運動はその遂行に関する解剖学的・力学的機序が大きく異なることを考慮し、両脚運動と片脚運動の要因も加味した階層構造モデルの構築を試みる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入した備品「ゴニオメーター(間接角度計測システム)一式」が、当初予定していた額よりも安価で購入できたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度の計画である「基礎的な筋力の向上から高度なジャンプ運動に至る一連の階層構造モデルを構築」に関する研究資料の購入および研究打ち合わせや情報収集の費用として使用する予定である。本研究申請時と現在では勤務先が異なり、現勤務先では研究資料の充実した図書館が無い、研究打ち合わせに出張が必要など、研究環境が一変した。よって、申請当初との変更に際し発生する費用へ、次年度使用額をあてがう予定である。
|