研究課題/領域番号 |
16K16512
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金子 史弥 筑波大学, 体育系, 助教 (90645516)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スポーツ政策 / 社会学 / スポーツ科学 / イギリス / オリンピック |
研究実績の概要 |
本研究は2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が我が国のエリートスポーツ政策、地域スポーツ政策にもたらすであろう変容を考察する上での参照軸を提示するために、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピック(以下、「2012年ロンドン大会」)がイギリスのスポーツ政策にもたらした変容、およびスポーツ政策の実践の場に与えた影響を明らかにすることを目的としている。具体的な研究課題としては、第1に、エリートスポーツ政策における開催前後での政府系機関(UKスポーツ)と競技団体の関係性の変化、第2に、地域スポーツ政策における、開催都市である大ロンドン市と競技実施会場ではなかったシェフィールド市でのスポーツ政策の変容と「スポーツ・レガシー」の構築に向けた取り組みの成果と課題、を政策文書の分析と関係者へのインタビュー調査を通じて明らかにすることを試みている。 平成28年度は文献調査を通じて本研究の分析枠組みを構築する作業を進めながら、主に第1の研究課題に関するインタビュー調査を実施する予定であった。文献調査については、まず、本研究の2つの研究課題を行う上での基礎作業として、2012年ロンドン大会前後でイギリスのスポーツ政策がどのように変容したのかを中央政府および2つの政府系機関(UKスポーツ、スポーツ・イングランド)の戦略文書を資料に考察した。そしてその成果をまとめ、筑波大学体育系紀要第40巻に投稿した。加えて、第1の研究課題に関する先行研究(Bairner et al. (2017)、De Bosscher et al.(2015)など)、第2の研究課題に関する先行研究(Poynter et al.(2016)など)の検討を進めた。一方で、準備は進めたものの、校務の関係で、2017年2月もしくは3月に実施する予定でいた第1の研究課題に関するインタビュー調査は実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は、本研究の2つの研究課題の基礎作業となる「2012年ロンドン大会がイギリスのスポーツ政策にもたらした変容を明らかにする」という点については、当初の研究実施計画にはなかった当該作業の成果の論文化を含め、十分に達成できたと評価できる。一方で、2017年2月~3月に実施する予定であった第1の研究課題に関するインタビュー調査は、校務の都合のため、実施できなかった。以上の点を鑑み、「やや遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、まず、前年度実施できなかった第1の研究課題に関するインタビュー調査を早急(2017年6月もしくは7月下旬)に実施する。その上で、インタビュー調査の成果をまとめ、学会発表、学術誌への投稿を行う予定である。加えて、第2の研究課題に関する先行研究の検討、政策文書の分析を進めるとともに、2019年2月から3月の間に大ロンドン市、シェフィールド市の関係者に対するインタビュー調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年2月もしくは3月に予定していたイギリスでのインタビュー調査を実施できず、旅費を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に当初1回の予定であったイギリスでのインタビュー調査を2回行うことで使用する。
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