研究課題/領域番号 |
16K16514
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
佐久間 亨 筑波技術大学, 保健科学部, 助教 (60646842)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 視覚障害 / ブラインドサッカー / 触覚 / フィードバック / 点図 / 標準動作モデル / キック動作 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、視覚障害者サッカー選手が自身の動作フォームを確認したり、熟練者の動作フォームと比較したりすることを可能にする触覚フィードバックシステムを開発することである。本年の研究課題は以下の2つであった。
課題1:サッカー熟練者の動作フォームを基にした標準動作モデルの作成。本課題では3次元モーションキャプチャシステム(VICON)を用いて複数名のサッカー熟練者の動作データを取得し、Ae, et al. (2007)の方法を用いて標準動作モデルを作成する。標準動作モデルを用いることで、動作のなかでポイントとなる部位やタイミングを抽出することが可能になるので、点図ディスプレーで動作を提示する際に強調すべき動きのポイントが明らかに出来ると考えられる。進捗状況として、VICONで得られる3次元座標値から標準動作モデルを作成するまでのプログラミング作業は終了した。サッカー熟練者の動作データ取集は平成29年度に実施する。
課題2:点図ディスプレーによる動作データのスティックピクチャー再生。本年はKinectを用いてキック動作を撮影し、点図ディスプレーに再生させることを試みた。実際にKinectを用いてブラインドサッカー選手のキック動作を計測した。その結果、蹴り脚の速度が速いことからキック前とキック後の関節位置は取得できるものの、肝心のボールを蹴る動作中の位置が不正確になり計測が出来ないことかが分かった。この結果を受けて、平成29年度では小型化・無線化の進む加速度センサを用いた動作計測を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画では、Kinectによる動作計測データを点図ディスプレーに再生させる触覚フィードバックシステムを作成する予定であったが、上述の「研究実績の概要」で述べたようにKinectではサッカーのキック動作を正確に計測することは出来ないことが分かり、そのためKinectに変わる動作計測方法の検討に多くの時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策は以下の通りである。
・複数名の熟練者サッカー選手の動作データを3次元モーションキャプチャシステムで撮影し、得られた身体分析点の座標データから標準動作モデルを作成する。そして、標準動作モデルを点図ディスプレーに再生させる。 ・スポーツ現場などで簡便に利用することを念頭に、加速度センサを用いた動作計測と、動作データの点図ディスプレー再生を行う。 ・上述した触覚フィードバックシステムの有効性について、ブラインドサッカー選手を対象として検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、Kinectを用いて動作計測を行い、そのデータを点図ディスプレーに再生させる計画であった。しかし、実際にkinect(本学の小林真准教授所有物品)でブラインドサッカー選手のキック動作を計測した結果、蹴り脚の動く速度が速く、正確なデータ収集が困難であることが分かった。 以上の理由から、Kinectに替わる動作計測用センサの選定とソフトウェアの仕様策定に時間を要し、ソフトウェア開発会社との契約および点図ディスプレーの購入まで至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
Kinectに替わる動作計測用センサとして、小型化・無線化の進む加速度センサを複数個用いる予定である。平成29年度では加速度センサと点図ディスプレーおよびそれらの連携アプリケーション開発に経費を使用する計画である。
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