研究課題/領域番号 |
16K16520
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
石川 美久 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (00532839)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 柔道 / 投げ技 / 頭部への影響 |
研究実績の概要 |
柔道の事故は,後頭部を打ちやすい後方に倒れる技が多くみられる.2015年度において死亡事故が発生した2件のうち1件は,後方に倒れる技で起きた.指導現場では投げ技の危険度は,指導者の感覚や経験,過去の事故の事例によって判断されている.今後柔道の指導現場における安全対策を進めていくには,科学的データに基づいた投げ技の影響を解明することが課題である. そこで,本研究は,柔道の投げ技による死亡事故を防止するために科学的なデータを示すことを目的とした.対象試技は「体落とし」「背負い投げ」「大外刈り」「大内刈り」の4つの投げ技を対象とした.実験項目は,頭部の並進および回転加速度を測定するための機器として3軸加速度および角速度センサ(MA3-50AD-RDB-SS,MVP-RF8-GC, Micro Stone社製)を使用し,投げられる人の頭部の並進・回転加速度である.本研究では,上記の研究にあわせてハイスピードカメラ(EX-100PRO;CASIO社製)による映像を撮影し,投げられる人の頭部落下速度を測定した.対象者は,柔道熟練者の大学生10名(重量級5名,軽量級5名)とした.選定には柔道指導歴10年以上,全日本柔道連盟公認指導者資格「A」を所持している柔道五段の研究者1名が,受け身の習熟度を十分に精査し,安全と判断できる者に限り対象とした.測定は,投げられる人の頭部に加速度センサを取り付けて,前述した投げ技を施し,撮影はハイスピードカメラを使用して240fpsで撮影した.本研究は大阪教育大学倫理委員会の承認を得た上で,被験者に実験方法・注意事項などを十分説明し,書面にて同意が得られた場合のみに行った. 現在,データ解析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,柔道の投げ技を対象として投げられる人の頭部への影響を明らかにすることを目的として実験を行った.その第一段階として体重差による影響を探る実験を行い,概ね予定通り進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,投げられる人の体重差による頭部への影響を探る実験を行い,現在データ解析中である. 平成29年度以降は,データ解析の結果を学会などで公表していく.さらに,疲労度による影響を探ることを目的としているため,研究計画を再考し,実験を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に行った実験は,当初の計画通りの金額を超えたため前倒し申請によって行った.前倒し申請は,わずかに多く申請していたため,次年度への繰り越しとなった.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は,実験を数回行う予定であるため,前年度から繰り越しとなった予算は実験の人件費に充てる.
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