本研究では、自然環境に応じた泳技術を明らかにすることで、OWSの革新的なコーチング方法や海洋環境における安全教育法の開発に繋げることを目的としている。当該年度の研究課題は、「筋電・慣性センサの同時計測による精度の高い泳技術評価法の開発」であり、今年度はプール泳における慣性センサの長時間測定精度を検証した。さらに慣性センサ及び筋電センサ併用による泳技術評価が可能か否か、これまで信頼性が高いとされた画像分析と比較して精度を検証した。慣性センサ導入に際し、プール泳を高い精度で測定できたものの、慣性センサと筋電センサとの併用(同期)については、筋放電の情報に欠如がみられた。 慣性センサより得られた情報を画像分析と比較したところ、15分を超える長い時間においても高い精度で情報を抽出することが可能となった。また、泳動作を阻害せずに情報を抽出できることが明らかとなった。 防水ワイヤレスのセンサから得られる情報をもとに泳中の動作を高い精度で評価できれば、信頼性の高い泳技術評価法を開発できる。また、小型・軽量化しているセンサは、スポーツ科学の発展のみならずヒトの生活動作を評価するようなリハビリテーション医学分野への学術的評価も期待できる。
|