企業とそこで働く従業員との間には明文化されずとも知覚された相互期待である心理的契約が存在している。文章化された契約だけでなく「書かれざる約束」が組織における個人の態度、行動に重要な影響を与えている(Rousseau、1989年)。本研究では、プロスポーツ企業の従業員を対象に、契約書に記載されていないにもにも関わらず会社(組織)との間で成立している契約の内容を明らかにする。そして、プロスポーツ産業の中核を担う従業員はどのような心理的契約の内容を知覚し、重要視しているのかを把握するとともに、スポーツ企業における心理契約の履行/不履行が従業員の職務パフォーマンス(職務満足度、ワークエンゲージメント、心理的安全性、組織コミットメント、職業性ストレス等)にどのように影響するのかについての科学的根拠を示すことを目的とした。これまでの研究成果を踏襲したうえで、研究計画書に基づきプロスポーツ企業で働く従業員の心理的契約の履行/不履行が従業員の職務パフォーマンスにどのような影響を与えるのかを検証するための調査を実施した。最終的な解析結果および成果物については順次公表していく予定である。
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