本研究では、アスリートの主観的な知覚や認知の体験を対象として、心理的プレッシャー下での実力発揮の成否を分ける要因を明らかにすることを目的とした。この目的のために、全国レベル以上の大会への出場経験を有し、プレッシャー下で実力発揮をできた経験とできなかった経験の両方について語ることができる現役アスリート10名にインタビュー調査を行なった。インタビューの内容を分析し、実力発揮成功の過程と失敗の過程を比較することで、違いに関わる要因を抽出した。その結果、プレッシャー下で生じる症状自体に大きな違いはなく、症状をどのように認知し、対処するのかが実力発揮の成否に関わることが示された。
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